比較サイトで価格を比較してみて、あるお店は価格が高いけどポイント分を差し引くとおおよそ最安値なのでそのお店で買ってしまうことはありませんでしょうか?
一見、最安値で購入できたように思えますが、本当にそうでしょうか?
冷静に考えると当然、純粋に現金価格が最安値の店で購入するのとは違いがあります。なぜならポイントにはいくつかの制限があることが多いからです。よくある制限に次の3つがあります。
- ポイントを使った分にはポイント還元は適用されない
- ポイントは失効する
- ポイントの使用用途に制限がある
この制限にポイントの罠が潜んでいます。
例えば次の価格が同じお店で購入した場合、
- 現金価格
- 現金価格からポイント分を差し引いた価格
それぞれのお店で購入すると次のようになります。
- 現金価格が安い分、その差分の現金が浮く
- 差分価格分のポイントが貯まる
この記事では、この違いがなんであるかをきちんと考えてみたいと思います。
ポイントは失効する
ポイントには有効期限が決められていて、それを過ぎると失効してしまうことがあります。当然、現金はその価値が失われることはありません。
これはわかりやすくポイントが現金に劣る点です。
ポイントの使用用途に制限がある
溜まったポイントは現金の代わりとして使えますが、その用途には制限があります。多くはポイントが付与された店舗でのみそのポイントが使えるというものです。
現金はもちろん使用用途に制限がありませんので、この点もポイントが現金に劣る点です。
ポイントを使った分にはポイント還元は適用されない
前述の2つはわかりやすいので、理解して利用している方が大半だと思います。そして将来、ポイントをもらった店舗で買い物をする予定がある方にとっては大きなマイナスにはなりません。
最後に「ポイントを使った分にはポイント還元は適用されない」ことについて考えてみましょう。実はここに罠が潜んでいます。
例えば、大手家電量販店の価格はポイント分を差し引いた価格が他のお店の最安値(現金価格)と大体同じになるように設定されています。
次のような価格の商品を考えてみましょう。ここで大手家電量販店は10%のポイント還元があるものとします。
次のような価格の商品Aを購入する場合を考えてみましょう。ここで大手家電量販店は10%のポイント還元があるものとします。
- 現金価格のお店(商品A): 90,000円
- 大手家電量販店(商品A):100,000円
大手家電量販店は10,000円分のポイントが貰えますので、将来必ず大手家電量販店で買い物をする予定がある場合は実質90,000円で購入できたように思えます。
しかし、ここに罠が潜んでいます。このポイントを使って買い物をするとします。ここではちょうど10,000円の商品Bを購入することにします。
これで「商品A」と「商品B」を手に入れることが出来ました。大手家電量販店のみで購入すると10,000円で手に入れることが出来ます。
では、現金で最安値のお店で購入する場合を考えてみましょう。ここで大事なのが「大手家電量販店の価格からポイント分を差し引いた価格が他のお店の価格と同じ」ということです。つまり大手家電量販店で10,000円の買い物をすると、本来は1,000円のポイントが付くはずなので、現金価格のお店では次の価格で買えるはずです。
現金価格のお店(商品B): 9,000円
つまり現金価格のお店で購入すると全部で99,000円で購入できるので1,000円を得します。
お店側からするとポイントを使った分にポイント還元しないことで、現金販売のお店より100,000円あたり1,000円多く売り上げることが出来ます。
このように、お店側はポイント還元の仕組みを利用することには大変なメリットがあります。メリットをまとめると次のようになります。
- 現金価格のお店より売り上げが多くなる
- ポイント分は自分のお店で購入してもらえる
- ポイントが失効した場合も利益になる
- ポイントがある、あるいは失効することは購入のインセンディブになる
まとめ
このようにポイントには巧妙なトリックが潜んでいます。